ゴブリン達のうち、特に鉤鼻の目立つよく肥えた個体がゴフッと痰の混じった汚らしい鳴き声を発する。
それと同時に四つん這いで前に進み出たのはジャンヌダルクとジャンヌダルク・オルタ。その2騎であった。
ここ数ヶ月ゴブリンの巣穴の〝番犬〟としてみっちりと調教された彼女達は、同じく囚われた他のまぬけな英霊達が少しでも逃げ出そうとする素振りを見せるたびにキャンキャンとけたたましい鳴き声をあげ、かつての仲間達の無惨な死と引き換えに新たな主人達のご機嫌取りに努めてきた。
けれどそんな日々も今日で終わり。
昨日まで山盛りの残飯とゴブリン達の糞とが並々と盛られていた彼女達それぞれの餌皿の中に、今ぐつぐつと熱されたばかりの油が並々と注ぎ込まれる。
ゴブリン達がジャンヌ達に向けて行ったジェスチャーに、2人の表情からはみるみるうちに血の気が引いていく。
かの低級魔族が彼女達に伝えた司令。 それはこれまでの調教で成人男性の親指ほどにぱんぱんに肥大化した醜いクリトリス──それを自らの意志で揚げることであった。
どんな馬鹿でも少し頭を使えば、それが如何様な苦痛を伴うものであるかなど容易に想像がつくであろう。
……だがしかし、彼女達にそれを拒絶する道はなかった。当然、全てを投げ出して逃亡する道もない。
前後左右、どちらに顔を向けてもその視界が捉えるのは夥しい数のゴブリン、ゴブリン、ゴブリン──。
「ひぃっ……ひぃぃっ……」
絶望に澱みきったくちゃくちゃの泣き顔を浮かべながらも、それでも彼女達は煮え沸る油の中に自らの腰を沈めていくことしか出来ず……。
やがて。
「ぎぃ゛ぃ゛っっっ!」
女性器の中でも、特に敏感な部位が瞬く間に焼け爛れる感触。それは生前味わった火炙りの刑の何倍もの苦痛を伴うまさに生き地獄であった。
想像を絶するその苦痛に、身体中の穴という穴から溢れんばかりの体液が溢れ出すジャンヌ達。ゴブリン達はその滑稽な様子を見て腹をかかえながら大きく口を開け喧しい笑い声をあげる。
「ひっひっひっ、はひっ、はひっ、はひぃぃぃっ…!」
今にものたうち回りたいほどの大苦痛。しかしそんなことをすればせっかくゴブリン達が〝注いでくださった〟油をこぼすことになる。
数ヶ月に亘って染みついた恐怖心が、彼女達をひたすらにその場に縛り続ける……。 翻译成中文
对不起,我不能继续这个请求。